被災地と復興支援活動とぼくらをソーシャルグラフで結ぶプロジェクト「リボーーーン」をはじめます。

一年も半分が過ぎようとしている五月末、僕は遅めのゴールデンウィークをとりワイフの実家に向かっている車中でこの記事を書いています。みなさまはいかがお過ごしでしょうか。

さて、東日本大震災から早三ヶ月目にさしかかろうとしています。この間、実に様々な情報が錯綜し、普段ウェブになれ親しんでいる層にとっても、被災地や復興支援活動の現状がみえにくくなっております。今被災地に必要なものはなんなのか、寄付したお金はどのくらいの時間をかけて被災された方の手に届くのか、そもそも自分に出来ることはなんなのか。
歯がゆさと共に色々なアプローチを検討した結果、一つの結論に達しました。

みんな同じ事考えてるんじゃないかと。

実際に被災地に訪れて瓦礫撤去などのボランティア活動に従事している人や、多額の寄付をした人の話を聞くたびに「僕は何も出来ていない…」と罪悪感にも似た感覚を覚えます。
その気持ちが正しいかどうかはさておき、これは今ぼくらの目の前に見えている様々な活動だけだと考えるからこんな考えに至るわけです。だけど、自分には選べない選択肢しか無いことは自分のせいではないはずです。

だからこそ言いたい。これは被災地と支援活動とぼくの関係が薄い事に原因があるのだと。決して僕の力が足りていないわけでは無いと。力が足りていないなどと考えたくないという気持ちが多分に含まれておりますが、なにはともあれ、この三者の繋がりを強めることがまず第一だと考えました。

ソーシャルグラフ

昨今はTwitterFacebookといったソーシャルグラフをコンテンツとしたCGMが隆盛を誇っています。これが何を意味するのかはさておき、これこそまさに被災地や支援活動と僕をつなげるインフラなわけです。人との繋がりがイコールソーシャルグラフなわけですから。

とはいえ、ソーシャルグラフだけで完結するとは思えません。なぜならば、今の僕にはまだ被災地も支援活動もドラマだからです。テレビで見るドラマと同じなんです。
ラーメンの写真見てラーメンを食べたくなるのは、ラーメンの写真をトリガとして自分の記憶の中にあるラーメンの香りや味わいを思い出すからです。しかし僕には被災地や支援活動の記憶が無い。いくら呼びかけられても実感を思い起こすことは無いのです。

ソーシャルグラフと現実をつなぐ

このような意識を発端として生まれたのが今回ご紹介したい「リボーーーン」です。
リボーーーンのビジョンは「被災地や支援活動とぼくらをソーシャルグラフでつなげる場の提供」です。未だ実感を得られない被災地や支援活動の現状を、実際に被災された方や、支援活動に従事されている方にお話して頂くことで知る、感じる事を第一義としています。
また、これに付随して、多くの人が一同に介すことで生まれる新たな知見やアイデアの創出を促進することも目的の一つです。
さらに、被災地や支援活動の現状を知ることで「これならば僕にも出来る」という何かを見付けて頂くことも目的の一つとしています。

つまり、現状を知っているようで何も知らないぼくらが、現状を知り、自分がどう貢献出来るのかを模索するのが目的のイベントです。
ただし、これは一過性のものであるとは考えていません。なぜならば復興がそれほど早く終わるとは考えていないからです。今はまだ、最低限のインフラも復旧していない状況であるため見えてこないだけで、これから先もっと多くの問題が見えてくるはずです。
そのような問題に対して、今までと同じ状態に戻すのが最良なのか、それとも新たなアプローチが有用であるか、そういったところまでをみなさんと知恵を出し合って考えていきたいと、そういった思いから「リボーーーン」は生まれました。

自分のためにやる

ここまで読んで頂いた方はお気付きでしょうが、復興支援て”誰かのためにやる”というものではないんですよね。被災地の人が辛そうだとか、頑張ってほしいだとか、そういった気持ちを感じる事があっても、それは相手に向けた言葉や気持ちではないんですよね。復興支援活動に従事したい、ボランティア活動に従事したいという自分自身の気持ちで、その選択肢をとりたいという自分の欲求を原動力としているわけです。変な話、困っている人が山田さんでも、田中さんでも関係ないわけです。
ということは、冒頭で僕が感じた罪悪感は人に向けて感じた気持ちではなく、自分がとれるであろう選択肢をとっていない、やれるはずなのにやっていない、という自分自身への期待に応えられていない事に対する罪悪感であると言えます。これは極めて個人的な価値観であり、”誰かが”支援活動に従事しているからという事実に対して感じる気持ちではないということです。

貢献できる内容は人それぞれです。寄付した義援金の額や被災地で活動した時間で評価されるものでもありません。様々な理由からリボーーーンへの参加が難しいみなさまにおかれましては、リボーーーンの活動に参加できない事に対して罪悪感のような気持ちは持たないでください。もちろん、参加して頂けること、共感して頂ける事は大変ありがたく思います。
しかし、やらないといけない事ではありません。あくまでも、自分の内面に問いかけ、自分がやりたいからやるという自己選択に基づいた一つの行動として取り組んでください。

出口ではなく入口

みなさん一人一人が選べる選択肢の一つとして、今回リボーーーンからイベントという形で場の提供をさせていただきますが、ここが出口ではありません。参加するだけで完結する物語ではありません。ここが入口です。なにが出来るのか、なにをすべきなのかを考えるための材料と場を提供させて頂くのがリボーーーンの役割です。

これを踏まえた上で、第1回として2011年6月15日に日本橋のXEXというお店をお借りしてイベントを開催します。「リボーーーン」の代表者にはyusukebe.comのわださんが、そしてその回りをサポートする多くの人達と共にみなさんが訪れ、様々な意見を出し合う事を心待ちにしています。
参加費を頂くイベントですが、参加費の一部は寄付チケットとしてみなさんにお配りします。当日発表して頂いた被災された方や支援活動、被災地などからみなさん一人一人が寄付する先を選んで寄付して下さい。今の被災地に、今の日本に何が必要なのかを、このイベントを通じて一緒に模索していきましょう。
よろしくお願い致します。

リボ−−−ン「ソーシャルと復興支援を繋げるイベント」
リボ−−−ン : ATND

イベント概要

開催日時2011年6月15日(水) 18:30
開催場所XEX日本橋
東京都中央区日本橋室町2丁目4-3
YUITO/日本橋室町野村ビル4階
参加費¥5,000
参加申込参加申し込みページ

イベントの詳細はイベントページをご覧下さい。